2020.1.9のブログで、「M&A活況なり」とM&Aに係る仕事の依頼があるのではと思っていましたが、昨年度は実際に「M&A」にまつわる仕事を何件かおこなった。
私自身が関与したのは、顧問先の企業買収にかかわるもので、財務、法務、ビジネス、税務と分野ごとに各専門家がデューデリジェンス(DD)を担当するが、我々への依頼は「税務」であり、買収予定会社(オーナー会社)の税務リスク等を解析していく。DD手法が一般的にそうなっているのかクラウドのなかで資料のやり取りをして完結していく。直接相手会社との面会の機会は一度だけであった。
始めて接する会社の財務諸表をみるというのは、どういう場合であっても興味深い。会社の決算書、申告書は、数値の羅列であるが、なかに分け入って質問等を繰り返すなかで、会社の実態のようなものがわかってくる。そのなかで浮かび上がってくるのは、やはり経営者の「素」のようなものである。ああ、こういうことか、と思う段階がある。
さて、新年に入って、別の会社より新規のDD依頼がある。相手会社の資料を預り、申告書等をみると、顧問税理士欄には、私が前に勤務していた監査法人時代の先輩の名前がある。時代を経てまた仕事で相まみえるとは。下手なことはできないと思う気持ちと同時に、嬉しいような懐かしいような、なんともいえない気持ちがこみあがる。これ、同じ仕事を長年やってきたことの褒美のようなものかもしれませんね。