源泉所得税・税務調査対応

Ⅰ 事前準備資料等
 1規程集
  ①就業規則
  ②給与・賞与・退職金規定
  ③旅費規定
  ④慶弔・表彰規定
  ⑤稟議規定
 2法定調書合計表・法定調書の控え・源泉徴収票の控え
 3源泉所得税の納付書
 4賃金台帳
 5源泉徴収簿(一人別)・扶養控除等申告書・年末調整書類
 6総勘定元帳
 7調査対象年度(期間)の請求書・領収書等の証憑つづり
 8契約書つづり・・・報酬関係
 9外務員契約
 10退職金関係計算明細書・退職所得の受給に関する申告書
 11採用関係書類・・・履歴書・通勤届等
 12海外勤務者のリスト 
 13出向者のリスト・・・出向契約書
 14非居住者との取引

Ⅱ 個別事項
 1給与関係
  ①給与の〆、支払
  ②非常勤役員等・・甲欄、乙欄適用
  ③パート アルバイト
  ④通勤費の把握

 2経済的利益
  ①食事の提供
  ②社員旅行 過大のものはないか 不参加者に対する対応
  ③創業記念等 有無
  ④永年勤続 その他表彰制度
  ⑤出張旅費の日当等
  ⑥単身赴任者への帰省費用の支給 有無
  ⑦社宅の有無 自社所有・借上
  ⑧役員・従業員を被保険者とする生命保険の加入状況
  ⑨役員・従業員を被保険者とする損害保険の加入状況
  ⑩自社製品の販売等
  ⑪社内サークルへの補助

 3報酬
  ①顧問契約のリスト
  ②外務員への支払
  ③スポット契約 
  ・顧問契約以外の士業への支払 ・・ 司法書士等
  ・原稿料、デザイン、著作権の使用、技芸・スホーツ等の教授 

 4事前照合
  ①法定調書の合計表・・・賃金台帳、源泉税の納付書、年末調整関係資料
  ②源泉所得税の納付書・・・賃金台帳、退職金支給一覧、士業への支払明細
  ③賃金台帳・・・総勘定元帳
  ④年末調整関係・・・扶養控除申告書、生命保険等証明、社会保険料等証明
  ⑤退職金の支給・・・退職所得の受給に関する申告書
  ⑥報酬関係の徴収の有無

Ⅲ 現物給与
 1食事の提供
 (1)給与課税がない・・・下記次の二つの要件を満たしている 
  ①役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
  ②次の金額が1か月当たり3,500円(税抜き)以下であること。
   (食事の価額) ― (役員や使用人が負担している金額)
  
  ・食事の価額とは以下の金額
  (ア)仕出し弁当などを取り寄せて支給している場合には、業者に支払う金額
  (イ)社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合には、
     食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額

 (2)給与課税 ・・・Aに該当しない場合 
  (食事の価額)― (役員や使用人の負担している金額)= 課税額

 (3)宿直残業夜食等
   給与課税はない(現金での支給を除く)

 (4)現金での支給・・・下記を除いて給与課税
   深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり300円(税抜き)以下の金額を支給
 
 2社員旅行等
 (1)給与課税がない・・次のいずれの要件も満たす。
  ①旅行の期間が4泊5日以内であること。
   海外旅行の場合には、外国での滞在日数が4泊5日以内であること。
  ②旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること。
   工場や支店ごとに行う旅行は、それぞれの職場ごとの人数の50%以上が参加することが必要です。
 
 (2)自己の都合の不参加者に金銭を支給する場合
   参加者と不参加者の全員にその不参加者に対して支給する金銭の額に相当する額の給与の支給があったものとされます。
 
 (3)従業員レクリエーション旅行には該当しないもの・・給与、交際費
  ①役員だけで行う旅行
  ②取引先に対する接待、供応、慰安等のための旅行
  ③実質的に私的旅行と認められる旅行
  ④金銭との選択が可能な旅行

 3 創業記念等
 (1)給与課税がない・・・次のいずれの要件も満たす。
  ①支給する記念品が社会一般的にみて記念品としてふさわしいものであること。
  ②記念品の処分見込価額による評価額が1万円(税抜き)以下であること。
  ③創業記念のように一定期間ごとに行う行事で支給をするものは、おおむね5年以上の間隔で支給するものであること。
   ※ただし、現金や商品券の支給の場合には全額が給与課税となります。

 4 永年勤続 その他表彰制度
 (1)給与課税がない・・・次のいずれの要件も満たす。
  ①その人の勤続年数や地位などに照らして、社会一般的にみて相当な金額以内であること。
  ②勤続年数がおおむね10年以上である人を対象としていること。
  ③同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときからおおむね5年以上の間隔があいていること。
   ※ただし、現金や商品券の支給の場合には全額が給与課税となります。

2013年7月31日