未上場株式の配当所得について

未上場株式の配当所得については確定申告の適用は以下のようになっている。

配当の額 所得税 住民税
少額配当 申告・申告しない、どちらも選択可能 申告必要
少額配当以外 申告必要 申告必要

したがって、確定申告の選択を行うかどうかは、所得税について少額配当について申告に含めたほうが有利かどうかによる。
<少額配当>
一回に支払を受けるべき配当等の金額が、次により計算した金額以下である場合の配当 10万円 × 配当計算期間の月数(注) ÷ 12
(注) 配当計算期間が1年を超える場合には、12月として計算します。また、配当計算期間に1月に満たない端数がある場合には、1月として計算します。

<源泉徴収額>
未上場法人が配当金を支払う際には、源泉徴収を行うことが義務づけられている。源泉徴収額は支払配当の20%(別途、復興税)とされている。

(1) 配当所得を申告に加算した場合の調整計算
① 所得税が増額となる
② 配当控除の適用がある
1.課税総所得金額が1000万以下
配当所得の金額×10%
2.課税総所得金額が1000万超(その超える部分の金額をAとする)
イ. 配当所得<=A のとき  配当所得の額×5%
ロ. 配当所得>A のとき  配当所得の額×10% - A×5%
③ 源泉税の還付・充当適用がある

(2) 実例計算(復興税を除く)
仮に配当所得10万としたとした場合

課税所得と税率 キャッシュフロー
以下 税率 ア.増加所得税 イ.配当控除 ウ.源泉税の還付等 エ単純計算(ア+イ+ウ)
195万 5% △5,000 10,000 20,000 25,000
195万 330万 10% △10,000 10,000 20,000 20,000
330万 695万 20% △20,000 10,000 20,000 10,000
695万 900万 23% △23,000 10,000 20,000 7,000
900万 1,000万 33% △33,000 10,000 20,000 △3,000
1,000万 1,800万 33% △33,000 別途計算 20,000
1,800万 4,000万 40% △40,000 別途計算 20,000
4,000万 45% △45,000 別途計算 20,000

(3) 配当所得を申告に加算した場合のキャッフロー
上記(2)の実例計算のとおり、課税所得900万超の人については、申告不要を選択するほうが有利となる。ただし、住民税については申告しなければならない。

2018年1月15日