課税売上割合の計算

消費税の課税売上割合の計算

課税売上割合 = A / B
   A=課税売上高(免税売上高を含む)税抜金額
   B=課税売上高(免税売上高を含む)税抜金額 + 非課税売上高

上記の算式で計算しますが、実際の計算を行う際、この分母・分子に算入あるいは控除しなければならないものがあります。

(1) 支払手段の譲渡対価
 通貨や小切手、約束手形など(収集品等を除きます)の支払手段の譲渡は非課税売上となりますが、課税売上割合の計算の際は、この譲渡対価は分母の非課税売上高に含みません。

(2) 資産の譲渡等の対価として取得した金銭債権の譲渡対価
 貸付金や預金、売掛金といった金銭債権の譲渡は非課税売上となりますが、自己の売上にかかる売掛金のように、自己の資産の譲渡等の対価として取得した金銭債権の譲渡対価は、課税売上割合の計算の際、分子の非課税売上高に含みません。
 この取扱いは自己の売上にかかる売掛金等が対象となりますので、他社が保有している売掛金を譲受け、それを転売したような場合には分母の非課税売上高に含みます。

 貸付金などの譲渡対価は非課税売上として分母に算入されますが、平成26年4月1日以降の譲渡については、その譲渡対価の5%相当額を分母の非課税売上高に算入します。

(3) 株式・出資持分の譲渡対価
 株式・出資持分の譲渡対価は非課税売上となりますが、株式については、その譲渡対価の5%相当額を分母の非課税売上高に算入します。出資持分の譲渡対価は全額分母の非課税売上高に算入します。※個人事業主の場合、株式等の譲渡対価は、株式等の譲渡を事業として行っている場合を除いて、課税売上割合の計算には一切考慮されません。

(4) 非課税資産の輸出等を行った場合
 非課税取引となる資産の譲渡等を行った場合で、その取引が輸出取引等に該当する場合、その譲渡等を課税資産の譲渡等にかかる輸出取引等とみなします。つまり、その対価の額を課税売上割合の分母と分子にそれぞれ算入します。

(5) 国外取引
 海外支店における販売等のため、あるいは海外における自己の使用のために資産を輸出した場合、その輸出を課税資産の譲渡等にかかる輸出取引とみなして、課税売上割合の分母・分子に算入します。
 その算入する金額は、その資産が対価を得て輸出されるとした場合における本船甲板渡し価格(FOB価格)となります。

(6) その他
 買現先にかかる債権等の譲渡損益、国債等の償還差益などについて規定があります。

2014年12月3日