平成29年度税制改正でタワーマンションに対する税金について改正がありましたが、
その内容は固定資産税の改正にとどまり、相続税については改正がありませんでした。
<相続税のタワマン節税とは>
相続税のタワマン節税とは、タワーマンションの市場価格と相続税評価額が平均で3倍程度開きがあることを利用したものです。
一般的にタワーマンションは、低層階より高層階の方が人気があり市場価格が高いにも関わらず、相続税評価においては、床面積に応じて課税されるため、市場価格と相続税評価額に開きがでることになります。
<タワマン節税への税制対応>
① 相続税
平成29年度税制改正では、改正対象となりませんでした。
② 固定資産税
(1) 改正前
一棟の建物全体の固定資産税を算出し、各戸の床面積に応じて固定資産税を按分します。
(2) 改正後
各戸に固定資産税を按分する際に、階層に応じて税額を補正します。
<相続税における6項の否認リスク>
平成29年度税制改正においては、タワマン節税に対する相続税評価の見直しはなされませんでしたが、国税庁は今後の改正の要否を検討しているとのことです。
また、国税庁は、「当庁としては,実質的な租税負担の公平の観点から看過しがたい事態がある場合には,これまでも財産評価基本通達6項を活用してきたところですが,今後も,適正な課税の観点から財産評価基本通達6項の運用を行いたいと考えております。」との見解をみせています。
よって、今回の税制改正の結果だけをみて、安易にタワマン節税に着手すべきではないといえるでしょう。
・財産評価基本通達6項
この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は,国税庁長官の指示を受けて評価する。