消費税の積上計算特例

消費税率の段階的な引き上げに伴い、対消費者取引への価格表示及び消費税額の計算方法について特例が設けられましたので、ご案内いたします。

1.総額表示義務の特例
消費税転嫁対策特別措置法が平成25年10月1日から施行されることとなりました。
同法の10条『総額表示義務に関する特例』により、対消費者への価格表示を、平成25年10月1日から平成29年3月31日までの間は税込価格での表示を行わなくてもよい事とされました。
具体的には、以下のような表示が可能となります。

(例1)個々の値札等において次のように表示する方法
 ・○○円(税抜)
 ・○○円(税抜価格)
 ・○○円(本体価格)
 ・○○円+税

(例2)個々の値札等においては「○○円」と税抜価格のみを表示し、別途、店内の目に付きやすい場所に、「当店の価格は全て税抜価格となっています。」といった掲示を行う

2.税抜価格ベースの端数処理・積上計算の特例
平成15年財務省令92号「消費税法施行規則の一部を改正する省令」の附則2条《課税標準額に対する消費税額の計算に関する経過措置》、いわゆる“端数処理と積上計算の特例”が平成25年5月31日に改正されました。
これにより、上記1.の特例を受けた者が対消費者へ外税表示を行っている場合についても、平成26年4月1日以後、当分の間、積上計算による消費税額の計算を行う事ができることとなりました。
積上計算による消費税額の計算とは、商品等の対価の額を本体価格と消費税額に区分して領収する場合に、その消費税等相当額の1円未満をその取引の都度端数処理しているときに、その端数処理した後の消費税等相当額の合計額をその課税期間の課税標準に対する消費税額とする事ができる、というものです。
具体的には以下のような計算になります。

(例)その課税期間の商品等の販売が以下の3件あった場合
   ①1,027円(本体価格979円、消費税額48円)
   ②2,215円(本体価格2,110円、消費税額105円)
   ③3,279円(本体価格3,123円、消費税額156円)

課税標準に対する消費税額の計算
(1)原則的な計算
  (1,027+2,215+3,279)×5/105 = 310

(2)積上計算
  48+105+156 = 309

2013年7月16日