〔Q〕H26.の3月末に支払う下記の経費等について、処理上注意することはありますか?
当社は会計ソフトは弥生会計を使用しております。
① H26.4月分の家賃 請求額 108,000(家賃 100,000 消費税8,000円)
② 切手を 30,000円で購入する予定。
〔A〕
① H26.4分の家賃は経過措置の対応外であれば、新税率の適用となります。
会計ソフトの多くは、H26.3.31までの日付であれば原則5%のみ対応、H26.4.1以降は5、8%との選択適用となっています。
本件の場合、処理方法はおおむね下記の(ア)(イ)のいずれかとなります。
(ア)3/31 家賃 (5%) 108,000 / B/K 108,000
4/1 家賃 (5%)△108,000 / B/K △108,000
家賃 (8%) 108,000 / B/K 108,000
これは会計ソフトの処理方法に逆らわずに消費税の税率変更に対応する方法です。
(イ)3/31 前払家賃 108,000 / B/K 108,000
4/1 家賃 (8%)108,000 / 前払家賃 108,000
4月分経費の3月支払は、前払費用を利用して翌月に費用化処理する。
ただし、この場合月次損益を損ねる可能性があります。
② 切手等の処理は、本来使用時に経費化するのが、適正な処理です。したがって、購入時に貯蔵品(仮払金)に計上し、使用分を「通信費」と処理するのが正しいことになります。しかし、実務的には、購入時に通信費処理をして、決算時に未使用分を棚卸して資産計上するか、もしくは、決算時においても金額的重要性がない場合、無視する方式が一般的です。
〔本来処理〕購入時 仮払金 30,000 / 現金 30,000
使用時 通信費 ×× / 仮払金 ××
〔通常処理〕購入時 通信費 30,000 / 現金 30,000
決算時 仮払金 ×× / 通信費 ××
もしくは、決算時にはなにもしない。
〔今回のケース〕
・本来処理をしている会社はその処理を継続してください。
・通常処理をしている会社
3月の購入時 3/31 通信費(5%) 30,000 / 現金 30,000
(この処理は、3月購入切手をその都度、使用したという擬制した処理になっています。しかし、3月に残った切手は4/1以降に使用するので、4/1以降の8%の処理に変更する必要があります。)
3/31に切手の棚卸をすると、28,000円 あった。
新税率に対応する方法
ⅰ 仮払金を使う
3/31 仮払金 28,000 / 通信費(5%) 28,000
(2,000円を5%使用した。)
4/1 通信費(8%) 28,000 / 仮払金 28,000
ⅱ ダイレクトに処理
4/1 通信費(8%) 28,000 / 通信費 (5%)28,000
(28,000円を今後、8%で使用する。)