036.合同会社のメリット

はるかのお得情報の「27.法人の選択・・・株式会社VS合同会社」で合同会社の概要について、株式会社と比較して記載させていただきました。

合同会社について、先に記載した以外に以下のようなメリットがありますのでご紹介いたします。

1. 増資時の登録免許税の節約
<株式会社の場合>
法人が増資する場合、株式会社であれば、会社法上増資額の最低限度1/2を資本金としなければなりません。資本金として計上しないこととなる分は資本準備金とされます。その際、増加した資本金に対して登録免許税を納付することになります。

したがって、1億円の増資を実施する場合、最低、資本金には5千万円の計上を要し、登録免許税の課税標準も5千万円となります。

<合同会社の場合>
一方、合同会社の場合は、株式会社のような資本金規制がありません。増資時に資本金を自由に決めることができます。また、資本金として計上されなかった額は、資本剰余金に計上されることになります。合同会社には資本準備金や利益準備金がないためです。

したがって、1億円の増資を実施する場合、資本金にはまったく計上せず、すべてを資本剰余金とすることもできます。設立時においても、資本金0円、資本剰余金1億円とすることも可能です。

資本金の額は登記事項ですが、資本剰余金の額は登記事項ではありません。そのため、合同会社が増資をした場合で、その出資額の全額を資本金剰余金に計上したときは、登記事項である資本金の額は変わりませんのでその変更登記を申請する必要もありません。登録免許税もかかりません。
ただし、合同会社設立の登記申請は資本金の額を0円とした場合でも、6万円の登録免許税が発生します。

2. 出資の払い戻し時にみなし配当の生じないケースがある
合同会社の社員は、会社に対して、すでに出資として払込みまたは給付をした金銭などの「払戻し」を請求することができます。

株式会社の場合、株主に払い込んだ資本について「払い戻し」を行う方法として、①自己株式の買い取りか、②資本剰余金を原資とした配当 このいずれかの方法で行うことになります。このいずれの場合であっても、会社側に利益剰余金があれば税務上「みなし配当」の生じる余地があります。

合同会社の場合における出資の払い戻しについては、当該払戻しが資本金等の額以下であれば、みなし配当の生ずる余地はありません。
出資者にとって、使い勝手のいい税制といえます。

2019年6月26日