1.ロールオーバー制度概要
非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置いわゆるNISAについて非課税期間は5年を限度としており、2014年から開始したNISA口座は2018年末に満期となります。
2018年に満期を迎えたNISA口座内にある株式等を2019年から5年間継続して非課税措置の適用を受けることができる制度がロールオーバー制度です。
ロールオーバー制度の適用については、非課税口座が開設されている証券会社等に対して「非課税口座内上場株式等移管依頼書」を2018年中に提出する必要があります。
2.制度使用上の留意点
① 満期を迎えるにあたって対応
2014年のNISA口座が満期を迎えるにあたって、その対応は次の3パターンとなります。
イ. NISA口座内で売却をして現金化
ロ. NISAのロールオーバー
ハ. 一般口座・特定口座へ乗り換える
ロ、ハの場合は株式等の口座の移動となりますが、引継ぎ口座の取得価額を実際購入価額ではなく、2018年末の時価とみなされます
② ロールオーバーの限度額
通常、NISAによる非課税措置を受けることができるのは取得時点の金額が120万円までの株式等に係る配当所得及び譲渡所得等に限られますが、ロールオーバー制度を利用することで2018年終了時点での時価が120万円を超える株式等についても非課税措置を受けることが可能となります。ロールオーバーする株式等はNISA口座内で任意に選択することができます。
ロールオーバー制度自体は、2019年の非課税枠(120万円)を使用する制度であるため、上記の場合には2019年の非課税枠は0となるため新たにNISAで投資することはできません。
120万円未満の株式等をロールオーバーした場合には120万円からロールオーバーした株式等の金額を除いた金額を非課税枠として使用することができます。
③ ロールオーバーを選択しない場合の対応
ロールオーバーしなかった株式等は2018年の最終営業日終了時の時価で一般口座又は特定口座に移管されます。
この場合において、NISA口座内で発生していた含み益・含み損はなかったものとされ、移管時の時価で取得したものとみなされます。