賃貸用不動産の利用

賃貸用不動産の購入はいわば相続税対策の効果も大きい反面、簡単に処分等することもできませんしリスクもあるものです。
したがって、慎重に検討して決断してください。

<節税効果>
1.貸家建物の相続税評価
建物の固定資産税評価額×70%

固定資産税評価額自体が時価に対して相当額割り引かれています。
新築された建物の場合ですと、建築価額の40%から50%ぐらい、既存建物の場合ですと、売買金額の60%から80%ぐらいでしょうか。ただし経過年数が経ちますと評価額とイコール状態になります。

仮に更地になっている土地に賃貸マンションを2億円で建築した場合、次のような効果が生じます
固定資産税評価が建築価額の50%と仮定します。
建物の相続税評価額 建物の評価額1億(2億×50%)×70%=7000万
節税効果 2億-7000万=1億3000万

2.貸家建物の敷地の相続評価
貸家建物の敷地の相続評価は、土地の利用が固定化されていることから、以下のようになります。
土地の更地評価 × (1-借地権割合×30%)

借地権割合はその地域により異なっていますが、概ね60%~70%が多いでしょう。
仮に60%としますと18%評価が下がることになります。

<リスク>
1.投資効果のない場合(賃貸不動産に入居者が入らないケース)
賃貸不動産をいったん建築した場合は、当然ながら毎年の固定費(固定資産税、修繕費等)が生じます。また、管理面においても煩わしさもあります。

入居者が予定とおり集まらないで収入をうまず、収支がマイナスとなった場合は、相続人に負の遺産を相続させることになり、本来の趣旨に反した結果となってしまいます。

2.不動産の値下がりリスク
賃貸不動産(土地、建物)を購入した場合などで、将来不動産価額が下落した場合はどうでしょうか。
相続税対策を行うのは財産の全体価値を減らさずに次世代に受け継がせることが目的です。不動産をわざわざ購入したりした場合で、下落した場合など、本来の趣旨に合わなくなってしまいます。

2017年12月4日