社会保険料について、納付が困難になっている事業者に対しては、年金事務所に申請することにより、法令の要件を満たすことで、原則として1年以内の期間に限り「換価の猶予(国税徴収法第151条の2)」が認められます。
また、事業所の財産に相当な損失を受けた場合等、個別の事情がある場合は、「納付の猶予(国税通則法第46条)」が認められる場合もあります。
これらの規定自体は、従前よりの制度ですが、新型コロナ感染症に対応して、厚生労働省は2020年3月12日、「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う厚生年金保険料の猶予に係る対応について」とする文書を日本年金機構宛てに発出しました。
その内容は、新型コロナ感染症によって、売り上げが激減したなどの理由で、「社会保険料の納付が困難になった」と相談があった場合は「納付の猶予」や「換価の猶予」の適用を検討すること、その適用について柔軟な対応をするように求めています。
<新たな「猶予制度」> まだ、法令化はされていませんが、国税と同様に2020.2月以降の収入が、1カ月間に前年から2割以上減少している場合で、現金預金が減少するなど納付が困難である場合は、納付を1年延長する制度の創設予定です。この制度ですと、延滞税の支払いや担保の提供も免除されます。