学び舎

5月の末で、北村、高本が退職した。北村は独立するといって、また高本は新たな仕事にチャレンジをしたいといって巣立っていきました。2人ともにその意気良し、その激励もこめて送別会をして送り出しました。

そのせいもあって、4月ごろより求人をして面接を繰り返してきた。
なかなかぴったりの人も現れないが、ようやく数名決め、うち2人は21、22歳と若く、「はるか」が初めての就職先となるフレッシュな若者である。
彼ら2人ともに税理士志望であるし、仕事に対しても職場に対しても、希望と不安を抱えての入社であろう。

はるか以前の春田公認会計士事務所時代から何人ものメンバーが仕事をしながら税理士試験に合格してきました。(もちろん税理士を目指さないという選択をされる方もいます。)
彼らのうち、ある者は独立や転職をしたり、またある者はパートナー等として机を並べていますが、私がことさら何かを教えたとか、感化したということもありません。
仕事の指示をし、その報告や相談をうけて仕事を完成させていく。仕事に関するやり取りが毎日とぎれなく続く。たまに飲み会もあり、そのなかで、バカなことを言ったりしながら過ごしてきました。
彼らは、独立等をするにせよ事務所に留まるにせよ、その能力は、自分で学び、自分で掴みとったものばかりです。

ただ、厚かましい感想かもしれませんが、私の職業人としての志のようなものが事務所にあり、今一緒に仕事をしている事務所の全体をもって共鳴してくれている、そういう実感も確かにあります。しかし、長い年月のなかで、醸成された事務所の価値軸ができあがり、今となっては私もまた事務所のなかの一人にすぎません。

今回退職した北村君から、彼の結婚式の折に「転職のとき所長に出会えてよかった。目指すべき税理士像だと思っています」そんな言葉をもらいました。もちろん、持ち上げてくれている部分もあるでしょう、半分本気だとしても、私個人というよりは今の事務所全体の空気が彼をそう言わせしめているのではないかと思っています。

今回もそしてこれからも若い人が事務所に入所してくることでしょう。
事務所全体が上を向いて仕事に取り組む姿勢を貫き、若い人がそれに触れ、刺激されて、単に税法・会計を知っていれば良しとせず、人として良識を踏まえながら大きく成長してもらいたいと願っています。
税法や会計の「知識の習得」はもちろんですが、事務所のスタッフやお客様に揉まれ、まさしく仕事を通して、人としての判断力や度量を養ってほしいのです。それが、本人が社会人となっていくプロセスにつながっていくものと思います。

仕事は、パソコンに対してするのではありません、面倒くさくても個々の人間(それはお客様であったり職場の同僚であったり)に対して行っています。したがって知識の部分以外においても、人間関係のなかでも気持ちが折れたり、悲観的になったりすることもあるでしょう。そんな時にそれを支える事務所でありたい。きちんとした研修システムや事務所のモラルの向上を計ることはいうまでもありませんが、根本は仕事に誠実に取り組めば、お客様も職場の仲間も認めてくれる、尊敬も勝ち取れるということを示し実践していくことだと思っています。

事務所の一人一人がそれぞれの個性を生かし、これから入社してくる彼らの「目指すべき」職業人の集団でありたいものです。この事務所がそういう意味で若い新入社員のよき「学び舎」となれれば、と願っています。

投稿者:春田 健2018年7月11日