タイムスリップ

先週のことであるが、懐かしいY氏の訪問をうける。梅田にでるので、寄らせていただきますと。

私が開業したてのころU会計士(本ブログ2016.1.11堀川戎(U会計士のこと)を参照ください)に誘われて共同で仕事をさせていただいていた会社(顧問先)がある。
Y氏は当時、その顧問先の実質的な親会社の経理部におられた。
その関係もあって、会議等の場で一緒になるケースがあった。

私が関与させて頂いた顧問先は金融業を営んでいたが、関与したあとしばらく後に、バブル崩壊がおこり、巨額の不良債権が発生した。
その際に、親会社からの救済策をめぐって、数年間にわたって幾通ものスキームが提示され、会計上、税務上のさまざまな論点についてその都度に検討会や打合せが行われた。
これらのスキーム処理について、会計・税務上の適法性について、会社側は主にY氏と顧問を行っていた我々会計士とで様々な議論がなされたのであるが、当時の私はその金額の巨額さに圧倒され、また税法の解釈についての経験不足もあり、私自身総合的な能力が正直議論の水準に達していない、そんなような気がしていた。

その折に、つくづく感じたことが2つあった。どのような複雑なスキームであっても、根本的な会計の考えが身についているかどうか、それと会計における倫理性を保つということ、それが重要であるなということである。

前者についていえば、たとえば資産とはなにか、といったことである。ほんとに会計を初めて学ぶ学生のようであるが、処理の過程で発生する資金の支払いが、はたして資産なのか経費なのか、単純なようでいて、よくわかないケースがある。思い込みではなく、会計の根本の理解をしないと判断を誤ってしまう。
また、後者の話は、会社の運営上損失計上ができないからといって、粉飾決算といわれるようなことをしてはならないし、また目先の小手先の処理に惑わされずに、会計上正しい処理を追及しなければないない、といったことである。
どちらも、当りまえのことではあるが、利害関係のぶつかる渦中のなかにいて「仕事」として冷静になしとげることは容易いことではない。

Y氏やU会計士の議論は2つの中止点を外れることがなく、高尚でいて精密な議論に基づきバブルの後始末の処理がなされていったのである。

Y氏とランチをとりながら、当時の思い出話があり、今の私が当時の立場に舞い戻ったとして、同じような対応が取れただろかと考えていたのである。

投稿者:春田 健2018年5月29日