東条湖の近くに朝光寺という真言宗の寺院がある。
車でその近辺を通るたびに、国宝・朝光寺という矢印をした看板があり、以前より気になっていた。先日の休日、うだるような暑さで、どこに出かけるのも億劫であったが、家にいても仕方がなくフト思い立って出かけてみることにした。
行って、驚いたのはその静かなことです。
木々がゆれる音しかなく、国宝であるにかかわらず自由に立ち寄ることができ、駐車料も拝観料もなく、警備のような人もいず、本堂がぽつんと佇んでいました。
喧騒から隔離されたような空間です。
行ったおりには、ボランティアのガイドが3名程おられ案内していただきました。
桁行7間、梁間7間の単層寄棟造り本瓦葺の本堂は、高床式で格式が感じられとても重厚です。
高床の支えの柱は80数本あり、本堂の床を水平にするため長さがちがっており、うち一本は建立された当時の自生の幹を使い、あら削りのままで未完成となっている。ガイドさんに「どれが、そうだかわかりますか」と。このまだ完成していないことが、建物に永遠の命をふきこんでいるという。
また、庭にあるツクバネという木(実のかたちが羽子板の羽根に似ていることから「衝羽根」というらしい)も案内して頂きました。
小一時間ほど見せていただくと、いや一服の茶を頂いたような、落ち着いた心持ちとなりました。