私の事務所では税務署等役所に対して届出書類等の作成し、投かんすることが多々ある。先日、郵便の控をみて驚いた。ある同一の役所に対して3社を別々の封入をして投函しているのである。
同一の役所であれば、1通の封筒に3社分いれて投函すれば済むものを、なぜか3通の封筒に別々に出している。
事務所では郵便物について後日のためもあり、作成時にノートに差出先・担当会社名・内容を記載するようにしているが、ノートをみれば同一役所への郵便があることがすぐにわかり、まだ前の封筒が事務所内に残っていれば封筒をあけて、一緒に投函しようとなぜ思わないのかということである。
仕事をまるで次から次に機械のように「作業」する。そうしているとしか思えない。
朝の朝礼時にこのことをとりあげて注意する。これは切手代や封筒代が無駄になることより、根本的に仕事そのものの目線の問題であると思ったからである。
結局、われわれ(税理士)の仕事ってなんですか?ということに行きつく。
もちろん、税務相談にこたえる、申告書をつくる、表層的にはそうなるが、その根底にあるものは、法律のなかでお客様の財産を守るということではないか。お客様に代わって専門的に知識をもった我々が、会計・税務面からお客様の財産を守るという思いなくして我々の仕事など成立しない。
この財産を守るという視点が、考えて仕事をすることに通じている。日常のささいなことがら(封筒の例)もそうであるし、あるいはもっと大きな課題が与えられた場合も同じである。ささいなことができなくて、大きな課題が解決できるはずもない。考えて、ずっと考えてアイデアが浮かべばとてもうれしい。もちろんそうならない場合もある。しかし、この思いをもって仕事にとりむくことが大事なのである。それが血の通った仕事となり信頼となる。
クライアントは敏感に我々がその視点をもっているかどうかを感じているし見ている。自分のことを真剣に考えてくれないと思えばもう相談にもこないだろう。
「作業」は「仕事」ではない。思いもって考えることが仕事である。
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このブログで2015.5.1「仕事」と題して文章をアップしています。そちらも併せてお読みいただければ。