元旦に(2016)

 1月2日に伏見稲荷に初詣にゆく。伏見稲荷は15年ぶりぐらいであろうか、その当時はお正月に女房の実家に泊まったおり毎年、女房・子供2人・女房の母親と5人で賑やかにお参りしていました。今、義母は施設に入所し、昨年結婚した長女は夫の実家に、長男は仕事の都合で来れず、私と女房と2人での少しさびしい初詣です。
 本殿に参拝したあと、かつてのように、稲荷山にある神蹟を巡拝する「お山」をすることにする。四つ辻で、昼ごはんを食べ、一峰に向かっていると、スマホに大学山岳部の先輩のK氏より電話がある。K氏からは毎年お正月に電話を頂く。「おーい、今どこだ。元気にやっているか。金剛山今年は雪がなかった。(K氏は毎年正月に金剛山に登っておられるのです)身体に気を付けて今年もぼちぼちやっていこうなあ。」
 K氏は口調こそ荒いのですが、山岳部の先輩後輩のことをいつも気に留め、私はK氏を真のジェントルマンとして尊敬しています。私が1年生の富士山の雪上トレで肺炎になったときに、風雪のなかザイルで私を背負い下山していただきました、また、部室に残されたK氏のインド・バングラ旅行記を読んで、私も4年生のおりインド・バングラの1人旅を企てたのです。
 年末より、気分が重たく少し辛いような気持となっていたのですが、K氏の電話でずいぶんと励まされました。

 私の事務所に勤務して社会保険労務士の資格を取得して、開業しているIさんから年賀状がきて、
「・・・主人とワンコ3匹楽しんでいます。昨年末で社労士の仕事も卒業しました。先生からは色々な事を学び、大変感謝しています。ありがとうございました。」とありました。まだ余力を残しての卒業ですが、それもまた選択の一つです。
 彼女が涙をためて事務所を辞めたいと言ってきた光景が想いだされました。

 かつて私の顧問先の経理をされていたTさんから、お正月に時にコーヒー豆であったり、お菓子であったり、毎年欠かさずにお年賀を頂戴します。もう、十数年来のことです。
 いろんな事情があって私のほうから、顧問の継続をお断りさせていただいた会社ですが、Tさん個人からその後、今に至るまでお年賀を頂戴して恐縮するばかりです。
 顧問をしている際には、会社のことはもちろん、個人的な税金の相談にも応じたのですが、辞めたあとは特段の相談もないし、「もう結構ですよ」と何度か礼状にも書いたのですが・・。
「きっとTさん、お父さん(私のことです)との縁が切れるようになるのが嫌なのよ。」と女房は解説してくれます。

 K氏、Iさん、Tさんのほかにも、多くの方々の「気持ち」に支えられ、私自身の今があるということに改めて気づかされました。
 これからも感謝の気持ちをもって日々を過ごし、高のぞみをせず、与えられた役割を誠実に果たしていきたいと考えています。

 新しい年が始まりました。

投稿者:春田 健2016年1月4日