先日、タクトコンサルティング代表である本郷尚氏の講演をネットで聴く機会あった。
その話のなかで、印象深かったのが「答える・応える」という言葉である。
話の内容を私なりに咀嚼して、また一部私の思いを付加していうと以下のようになる。
我々税理士というのは、「答えたがる」種族である。お客様との話題や悩みに対して、自分の領域のなかで「解」を見つけようし、ある意味自分の世界(税など)に引き込んで答えることで自己満足に陥ってしまう。
しかし、お客様(職業柄、会社のオーナーが多いのであろうが)が望んでいることは、もちろん税務上の問題もあろうが、その税務上の悩みというのは、その方の「思い」の一部分であって、本当に解決してほしいことは、もっと深いところにある。あるいは、解決してほしいのではなく、単に聞いて欲しいだけなのかもしれない。またもともと解決できるような問題ではないかもしれない。
そこで、お客様の気持ちに「応える」ということが必要であるという。
聞き出す力を持たないと「応える」ことはできない。もう少しいうと、聞き手となる自身の気持ちの厚みがないとお客様と共鳴することもできない。
自分のことをわかってくれるという思いがあって、ようやく相互の関係を結べるのである。
ある意味、税理士の役割を超えるような領域ではあるのだが、日常お客様と接していて、納得する内容であった。
・・・・日暮れて途遠し。