先生が会計士事務所を開設されるまで先生は大手の監査法人に在籍され公認会計士として私が勤務する会社の法定監査によく来社されました。その際、監査の立場、企業の立場から考え方の相違もあり、しばしば議論「互いの考えをストレートに」を交わしましたが先生はいつも熱意を込めて理路整然と意見を述べ、そして的確な指導に務められ、そういった中で互いの信頼関係が深かまりました。
先生が監査法人から独立されてからもいろいろな相談にのって頂き、また子会社の税務顧問をお願いするなど、初めての出会いから30数年になりますが現在も親交が続いております。現顧問先からも厚い信頼を得ておられているものと推察しております。
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平木様と先日久しぶりにお会いして、しばし思い出話に花がさきました。その際、ホームページへの投稿をお願いしたところさっそく頂戴いたしました。ありがとうございました。
お互いの近況と共に思い出話がなつかしく「そうそう、そんなことありましたね」と当時の情景がよみがえってきて、ついついお酒がすすみました。
平木さんは、上記の原稿にもあるとおり、私が勤めていた監査法人の監査先に勤務されておられました。初めてお伺いしたおりは、財経部長をされその後常務取締役管理本部長に昇格され退職されました。退職後は某財団法人の専務理事となりご活躍されました。
私は当時監査法人の1兵卒でしたが、従来の方法でないサンプリングに時間を費やすようになりました。当然、時間内に終わらずおそくまでかかり、商品元帳の山をひっくりかえしながら格闘しておりました。無数に感じれる商品取引のなかから、赤字取引、継続的な返品取引、高利益率取引などを見つけ出し、営業からヒヤリングを行うと、業界の独特の慣行が聞き出せて、その会計処理をめぐって会社(平木氏)と私との間で「ストレートな」「熱意」のある議論がなされたのでした。(立場上、意見が対立してぶつかりあったということですね。)あいまいな論拠で処理の是正を求めると、木端微塵に論破され、一方であたりさわりのないサンプルでのヒヤリング内容ですと、「はいはい」と軽くいなされたものです。
平木さんとの議論を通じて、ずいぶんと私自身も鍛えられ成長することができました。そういう経過を経て平木さんから「信頼」を得ることができ、いつしか私の指摘について真剣に耳を傾けていただけるようになりました。後年になりますが、私が監査法人を退職したあと、子会社を買収したおりに税務顧問に推薦して頂いたりしたのです。
人と人との「出会い」は常にあります。しかし、その中から信頼を得るというのは、本当に困難であることを痛切に感じています。平木さんとの「出会い」と「信頼」は私の仕事人生の初期段階で得た貴重な教訓であり、こんな風に仕事をやっていけば、自分でもなんとかなるかもしれないと、思わせていただいた恩人でもあります。