稲葉さんから投稿を頂戴しました。
文中、所長というのは春田のことをいいます。辞めた職員はいまでも、私のことを「所長」と呼んでくれます。彼ら彼女らに「所長」と呼ばれると、卒業生を送り出した学校の先生のような気分にもなってきます。(皆さん立派になられました。)
稲葉さんからのメールには「あくまでも褒めている文章なので、怒らないで下さいね!」というコメントつきでしたが、一読して過分に褒めて頂いているのがわかりましたので、怒るどころか面はゆい感じがしました。かつての身内の文章なので、割り引いて読んでください。きっと離れると良い面だけが印象に残っているのでしょう。(わたしゃそんなに人に好かれてませんけどね、ほんと。)
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所長は人に好かれる人だと思います。
「どこが?」と聞かれるとよく分からないのですが、なぜだか好かれているようです。特に愛想がいいとか、腰が低いということも無いのですが、みなさん所長を褒めます。そういうのを人徳というのかもしれません。
ところで、私の知る限りでは所長はブラインドタッチができない(しないだけ?)です。もしくは、もしかしたらブラインドタッチなのかもしれませんがキーボードを打つのに使う指が極端に少なかった気がします。(少なくとも4年前までは。)
私は「仕事は見た目が9割」が信念なので、この仕事に就くにあたってそれまで右手で打っていた電卓を左手に矯正しました。右手にボールペンを持って左手ですばやく電卓を打つ、とプロっぽく見える気がしませんか?右で打とうが左で打とうが電卓を打つと同時に字を書くことは出来ないので実際にはスピードは変わらないのですが。なにせ「見た目が9割」な人間なので。
所長は「見た目が9割」という信念は無いらしく、お客様の前でも独自のタッチでパソコンを操ります。
あるとき顧問先で会社の経理をされている社長のお母様から
「私、パソコンで経理なんて難しくてとてもできへんって思ってたんやけどねー。春田先生がパソコン打ってはるの見たら、なんか人差し指でポツポツ打ってはるやろ?春田先生みたいな偉い人でもあんな感じやったら、私もできるかなーと思って始めてみてん。」と。
そしてその社長のお母様は、いつの間にか難なく会計ソフトに入力できるようになっていました。
私の「見た目が9割」論でいくと、がっかりな面を見せてしまうとそれ以外の全ての信頼も揺らいでしまうような気がしていたのですが、所長は少し残念(?)な一面を見せても「あんな偉い人でもそうなんだ!」と人を勇気付けてしまうようです。そして、それが良い効果を生んでいます。
そういうのを人徳というのかもしれません。