税理士という仕事

 7月より当事務所にあずさ監査法人に7年勤務してきた会計士が入社した。主に上場会社の監査に従事してきたので、これから事務所の仕事(主に法人の税務相談と申告業務等)に慣れていくのにしばらく時間がかかるかもしれない。
 ただ、税務(もっとも法人税ですが)の大前提には「正しい会計」があるので、監査というツールを使ってそのことを「仕事」にしてきた者にとっては、「税務」は従前の仕事の延長線上にある仕事と認識してほしい。税理士試験の科目に「財務諸表論」があり、会計士試験のなかに「租税法」があるのは、当然のことである。
 とりわけ、中小会社の場合、税務申告前に会計処理そのものをレビューし、適正化を図ること自体も期待されており、そういう意味では、「監査」の経験値というのは大きな財産である。
 とはいっても、税務という業務は、法人税一つとってみても複雑きわまりなく、まず➀税法の内容を頭にいれておくこと、➁それが会社の会計処理のなか(あるいは会計処理がなされない場合も)で見つけだしていく作業、さらには➂会社側が気付いていない場合であっても、税務上有利なスキームを提案していく、といったことがルーチン作業となる。まさしく「税理士」という仕事は「会計士」とは別の独立した専門家としての役割がある。
 さらに実務では、消費税があり、所得税があり、さらに相続・贈与などが複雑にからまり、お客様は節税をもとめてくるし、ほんと、大変です。

投稿者:春田 健2014年7月9日