私は、激動の会社人生の今を、第三楽章と位置付けております。
第一楽章は草創期に当たる5年間です。第三楽章は、平成17年から現在までで、大きく転調し波乱に満ちた旋律です。この中間に第二楽章と称する2年間が存在しますが、波乱の予兆を内に秘めつつも穏やかに流れ、自分自身を取り戻し、見つめ直すことができた貴重な区間です。
この頃(H16.10月)、連休を利用して思い切って一泊二日の旅行に出かけることにしました。入社以来初めてです。
オーシャンビューのホテルを見つけ、行き先は南紀白浜に決めました。
この年は秋口から台風の当たり年で、前日の9日も大荒れの一日でしたが、夜半から雨も上がり、翌日は台風一過の好天が見込まれました。
一夜明けて期待通りの青空です。特急オーシャンアロー号は3時間ほどで田辺の駅につきました。一路、東急ハーベストへ。
海岸の遊歩道を散歩しました。
沖の岩の上で釣りをしている人がいましたが、みるみる潮が満ちてきて引き上げていきます。最後まで粘っている人がいましたが、大丈夫だったのでしょうか。
敷地の中にチャペルがありました。おそらく祭壇に向かってバージンロードを歩いていくと、目の前に一枚のスクリーンのように青い海が広がるのでしょう。
6階の部屋からは田辺湾が一望できます。釣り人はいなくなっていました。空のあおと海のあおが溶け合っています。
午後はテニス。
隣のコートで若い男女のペアがプレーしているのを伴奏にしながら、久しぶりにストロークに興じました。本当に久々です。
プレーのあとベンチで休みながら空を眺めますと、美しい夕焼けです。明日も晴れるのでしょう。
夕焼けに目を奪われていますと、鐘の音が聞こえてきました。先ほどのチャペルからで、どうやら5時を告げているようです。引き上げることにしました。
部屋からは、おりしも、すばらしいサンセットです。沈み行く太陽は、一日の役目を果たし、威風堂々としています。昇り行く太陽は、まばゆくその姿を目にさせないことと対照的です。
温泉に入り、みごとな懐石をいただき、夫と二人でこのような旅行ができることを感謝し、心豊かに、一日が暮れました。
二日目。
朝食後、また、海岸に出ました。
潮が引き、沖のほうまで歩いていくことができました。ロビーに戻りますと、花嫁さんが写真撮影をしています。純白のウエデングドレスが良く似合っています。写真撮影のあと、リムジンに乗り込んで出発しました。昨日のチャペルで結婚式を挙げるのでしょう。幸せのおすそ分けにあずかりながら、ホテルを後にしました。
チャペルの前を通りかかりますと、先ほどの花嫁さんが父親と腕を組んで、まさに入場の瞬間を迎えていました。少しの間、その場にとどまり、できれば入場を拍手で送りたかったのですが、主人に促され、その場を去りました。バスの時刻が迫っていました。バスで海岸線に沿って白浜まで行き、白良浜や三段壁洞窟などを見て周り、白浜駅から特急電車で帰りました。
本当に楽しいたびでした。
そして今。激動の旋律を収束させ、心豊かな曲が去来する日を願って今日一日そして明日一日と一歩一歩歩みを続ける毎日です。
今年もまた、「コンチキチ」の祭囃子が聞こえる頃となりました。
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K・T様より投稿を頂戴しました。
私の顧問先の管理・経理部門を担当され、当初パートで入社されたのですが、みるみる幹部に登用さて現在もご活躍です。
いっときは(本文の第一楽章の期間)電話での怒濤のような質問の嵐をうけておりましたが、そういえば最近は要所要所での質問です。
長い間の顧問先の経理担当の方(とりわけ喧々諤々のやりとりのあった方)とは戦友のような気持ちになります。