再会(めぐりめぐって)

 私がまだ監査法人に勤務していたころであるから27、28年位まえの話である。某会社の任意監査に従事していました。当初は先輩の会計士と数人でその会社を訪問していたのですが、3次試験に合格して3年目ぐらいからは、徐々に1人で行く機会も増えていきました。
 私は、今もそうですが、当時から、温厚で誠実な人柄(「お客様の声」まついクリニックの松井豊先生の弁)かつ謙虚で思料深い(これは自称)のですが、いざ仕事となるとスピーディかつ的確(これは自己評価)でお客様から高い評価を得ていました。(まったく「謙虚で思料深い」とよく言えたもので、お恥ずかしい・・。)
 会社にはだいたい3ケ月に一度ぐらいのタームで3日間行き最終日に講評のようなものを行うローテーションでした。経理部長、監査役がいらしたのですが、お2人とも銀行のOBの方で、会社の会計システムの不備事項や内部統制事項について、よく議論をさせていただきました。
 とりわけ監査役は、私が監査にいくといつも同席されて、経理部や営業部へのヒヤリングや書類のチェックする様子をじっと見ておられました。

 私はその後、監査法人を退職して独立したのですが、経理部長・監査役から退職するのであれば、今後も相談したいので会社の顧問となってもらうように社長に話をしてみるとまで言われ、本当に感激したものです。結局社長とは直接お眼にかかる機会もなく、顧問をさせて頂くこともありませんでした。その後お二人は会社を退職されて、年賀状をやりとりするような関係となっていき、数年前には監査役の奥様より喪中のハガキをいただきました。

 ところで5~6年前からまったくの偶然からその会社の創業者(当時の社長)の個人の税金の相談をうけるメンバーとなり、提案書をまとめたりご説明をしているうちに、時折会社の事柄についても質問を受けたりするようになり自分の考えを述べたりしていました。そうこうしているなかで「会社の方も」という依頼をうけ、今年の3月に会社と正式に顧問契約をさせて頂くことになったのです。私にとっては20数年ぶりの再会をはたしたような心持です。でもこんなこともあるのですね。

投稿者:春田 健2014年5月2日