創業者の思考傾向

 創業社長の会社をお手伝いしていて思うことです。創業社長は嘆きます、「なぜ自分がやってきたことができないのか!」、「もっと経営者の意識を持ってもらわないと!」、「一人でもいいから、自分と同じレベルの人材を育てないと!」・・・。要するに、自分を基準にして、自分と同じような仕事、意識を持ってほしいという考え方です。私はいつもそんなことを聞くと「無理です!」と返答します。そもそも創業者は、非常に優れた経営能力を持っています、分野は色々ですが・・・。
 また往々にして、人は「自分は普通で、特別な能力はない」と考えがちです。ビジネスの世界で出世したり、スポーツや芸能の分野で成功している人も、他人からはすごい努力や能力でも、その人にとっては普通の事をしていると感じていることが多いようです。会社の中での創業者の思考もこれと似ています。自分基準で、仕組みを作っても、誰もできません。職種は色々ですが、会社を大きくするには、「普通の人=3か月前に入社した人」が理解でき、可能な仕組みを作ることが必要です。

投稿者:中小企業診断士(MBA)、 兵庫県立大学大学院 客員教授  亀井芳郎2014年3月24日