2021.12から日本経済新聞に、日本ユニセフ会長赤松良子の私の履歴書が始まった。
日経新聞では、この連載にあたって赤松を次のように紹介している。「日本ユニセフ協会会長の赤松良子さんは女性の地位向上に力を注いだ元労働官僚です。男性と対等に活躍したいという思いを胸にキャリアをスタートさせるも、旧弊な組織の中で様々な壁に阻まれます。しかし持ち前のガッツと知恵で立ち向かい、1985年の男女雇用機会均等法制定という大きな仕事を成し遂げました。女性活躍の地平を切り開いたパイオニアの歩みには、今を生きる女性たちへの熱いエールが詰まっています。」
一回目のタイトルは「長い列」というもので、次のように記載されている。
「私をしばしば励ましてくれるフレーズがある。『男女平等の実現のための、長い列に加わる』という言葉だ。
私の前には、多くの優れた先輩たちの姿が見えた。ずっと苦難の多い時代に、迫害や中傷に屈せず闘ってこられた方々の存在がある。その方々の努力があったからこそ、私の時代に女子差別撤廃条約ができ、男女雇用機会均等法を議論できるようになった。
さらに幸いなことに、この列に加わって働く多くの後輩たちがいる。 中略 もちろんまだ足りないところはあるだろう。それゆえ、列は続いていく。私は戦前に少女時代を送り、男女平等をうたう新憲法のもとで大学を卒業し、女性官僚のパイオニアのひとりとなった。長い列に加わり、92歳のいまも歩き続けているのだ。」
社会変革に参加するというのはそういうものかもしれない。先達の作り上げた長い列に加わり、また次の世代に受け渡していく。そうして社会を少しずつ変化させていく。
それにしても「92歳のいまも歩き続けているのだ」そんなふうに言えるとは・・。