朝はやく、高代寺に散歩する。 初夏というのには早すぎるが、まだ寒気の残るなかを歩く。歩いていると手が冷たい。今日は軍手をせずにきた。山のなかに入ると、鳥の声がずっと続いて、まるで歓迎してくれているかのようだ。
ヤマツツジは萎れているが、もう新緑が伸びてきて若葉がとてもきれいだ。中腹にある杉木立もあいかわらずの風情があり、鳥の声とともにとても癒されます。だれとも会わないので、マスクもせずにのびのびと深呼吸をする。
歩いていると今のコロナ騒ぎがウソのように思える。この大騒ぎもいずれは歴史のほんの一コマとなって、また何年か先には、違うことで社会が大騒動していることだろう。
そういったある時期のなかに自分は生きている、その時間帯などある意味ほんの一瞬でしかないが、それでもこの「一瞬」は自分固有のものであり、取替が利かない大事なものだ。志賀直哉のナイルの一滴(注)を思いだしながら、高代寺をお参りして下山する。
自宅に戻る途中、皆さんマスクをして犬を散歩させている。私もポケットからマスクをだして着用した。
(注)(2019.6.5志賀直哉と村上春樹)本ブログを参照