今週の半ばに、ある顧問先の会議にいくために地下鉄を降りる。改札口をでたときに、向こう側から男性が歩いてきた。ふと目が合うと、遠い記憶が瞬時によみがえる。
私の一番最初の顧問先は、社長と社長の友人の2人で運営していたアパレルの会社でした。高校の同級生であった2人は、時に友人として時に上司・部下として微妙な関係にあったが、私も当時他に顧問先もないし、なにかあるたびに訪問して、2人ともある意味仲良くなっていった。
14~15年間ほど顧問をしたあと事情もあって顧問を辞することになった。社長の友人は私が顧問を辞める前後にやはり、関係がうまくいかずに辞めていった。それ以来ご無沙汰していたのであるが、その地下鉄で出会った男性は、社長の友人の方でした。
私は、彼のことはすぐに分かり、当時呼んでいた愛称も蘇って、「〇ちゃん、久しぶりです。」といったのであるが、先方は怪訝な表情を崩さない、あれ間違ったかなと思いつつ「昔、△△会社にいらっしゃいませんでしたか?その時の会計士の春田です」そういうと、「あー、センセイですが、びっくりした。いやあそれにしても老けはりましたね。全然わかりませんでした。」10分程立ち話で近況をしゃべり、握手をしてわかれた。
開業当時のお客様について、全体としては昔の白黒写真をみているような、それでも部分的な会話とか机の配置とかは鮮明に思い出すことができます。メールのない時代に数件のお客様を電話のあるつど足しげく通っていました。そして今、数十年すぎても変わらず同じ仕事をつづけている自分がいます。
あと何年仕事ができるだろうか、また彼と会うことがあるだろうか。
年末でせわしく人の行き来をする地下鉄の改札口前の10分足らずの時間でしたが、遠い昔と今現在の私、そしてこれからのことを思いました。