RIZAP(ライザップ)

トレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」に関して新聞記事が重ねて報道されている。

RIZAPグループが積極的なM&Aを重ねて、負ののれん代の処理が問題となっている。のれん代とは、企業の買収で支払った金額と買収先の純資産の差額をいう。M&Aの場合、通常、買収先の純資産より買取額が高くなるため、「のれん」が資産計上される。
RIZAPは、買収先の純資産より安く購入しているため、負ののれん代がでて、その金額を利益として一括計上している。この「割安購入益」を営業利益に組み入れてRIZAPは急速に拡大してきた。
RIZAPの子会社は80社を超し、連結売上高はこの6年で7倍超となったというのである。(2018.12.12朝日新聞)

さらに12.8の日経新聞によると、ライザップの子会社である夢展望(マザーズ上場会社)が同様の処理(負ののれん代による利益計上)で5億7000万円を営業利益として18年3月に計上した。またその買収会社に対する貸付債権についても1円で取得したのち、買収した会社が金融機関より借入を4億おこない、夢展望に返済させて差額を利益計上する予定であったという。

ライザップは最近カルビーのCEOであった松本氏をCOOとして招聘したばかりである。
松本は伊藤忠商事出身で、医療機器メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人の社長を経て、09年にカルビーの会長兼CEOに就任。高コスト体質にあえいでいた同社を立て直し、17年3月期まで9期連続で最高益を達成させた「プロ経営者」である。

松本は入社後、買収した子会社の現場をみてまわりその実態に驚いたという。RIZAPに来るまでは、様々な企業を傘下にもつライザップを、「おもちゃ箱みたいで、おもしろい」と受け止めていたが、評価は一転し「壊れたおもちゃが結構ある」と。
松本が進言してライザップのM&Aを凍結させ、傘下企業の在庫評価損を計上して、2019年3月期の営業損益の予測を230億の黒字から33億の赤字に下方修正した。

しかし、ライザップはよく踏みとどまったそんな印象をうけます。行きつくところまでいけば、東芝や、日産のゴーン氏のように、強烈なしっぺ返しをうけるところだったのではないでしょうか。

朝日新聞の見出しは「ライザップ 太りすぎに喝」と。

投稿者:春田 健2018年12月13日