いつも朝早くに出勤する。事務所の鍵をあけて、誰もきていない事務所で新聞の続きを読む、あるいはコーヒーを飲みながら頭の整理をしたり、たまっている仕事を片付けたりする。まあ、それなりに「楽しい」時間だ。
ところで、稀に朝早く事務所のスタッフが現れる。
「あのー、所長お話が・・・」これは全部がそうだと言っていいほど、退職の話が切り出される。
事情があっての退職希望であるし、若干の時期の調整はあるものの、翻意させることができないことは過去の経験値でわかっている。
職員が朝早く現れたら、もう赤ランプ点滅。こちらが逃げだしたいような、心もちだ。